放屁の度、あまりの悪臭のために。
最近では、嫁までにも『腐っているんじゃないか?』とまで言われております。
僕自身の人格についてなのか、内臓についてなのか、問い返すのはやめとこう。
不快な出来事は心優しき人をして罵詈雑言を吐かせしめます。皆様もご注意を。
罵詈雑言といえば、
米原万里さんの小説『オリガ・モリソヴナの反語法』を思い出す。
「いつになったら分かるんだい!
自分のチンボコより高くは飛べないものなんだよ!」
このセリフ、作品の登場人物たる、
舞踊教師オリガ・モリソヴナが、レッスンの際に生徒達に向かって発する言葉。
罵詈雑言として完璧すぎるセンス……。 胸に響きます。
ロシア語同時通訳者にして、エッセイスト、小説家の米原万里さんは、
他のエッセイでもそうだけど、言葉の切れ味が凄まじい。
言葉へ対する感性が尋常じゃない。
毎度毎度、辛らつな言葉とシモネタがユーモラスに(それもすごい速度で!)交じり合ってしまう。
他にもすんばらしいのがたくさんあって、
「去勢豚はメス豚に乗っかってから考えるっていうんだ!」
「他人の掌の中にあるチンポコは太く見える」
「七面鳥もね、考えはあったらしいんだ。でもね、結局はスープの出汁になっちまったんだ」
どれをとっても完璧。自分が罵られている気分です。嗚呼。
ロストロポービッチ(Mstislav Leopol'dovich Rostropovich)などの演奏家が来日した際も、必ず米原さんが通訳していたこともあって、小説の中にもロストロポービッチの話題なんかも出て来たりする。
「客への迎合癖が、知らず知らずのうちに身についてしまうのですよ。指が太くなったり怪我したりするより、その方が音楽にとっては、はるかに致命的なんだ」
また、良く出来てるのは言葉だけじゃなくって、小説自体がすさまじく面白い。
愚生のすっからかんの頭も、梵鐘よろしく何度も、ゴーンゴーンと打ちのめされちまいました。
しかし、罵られすぎには注意せんとな。
◎ 米原万里
はっきりいって、どれもこれも痛快にして辛辣、そして爆笑。
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か 米原万里 (文庫)
ヒトのオスは飼わないの? 米原万里 (文庫)
打ちのめされるようなすごい本 米原 万里 (文庫)
ガセネッタ&シモネッタ 米原万里 (文庫)
嘘つきアーニャの真っ赤な真実 米原万里 (文庫)
米原万里の実妹は井上ひさしさんの奥さん。
井上ひさしさんも日本語の達人だが、その日本語本は軽妙絶品。
私家版 日本語文法 井上 ひさし (文庫)
自家製 文章読本 井上 ひさし (文庫)
元外交官・ロシア情報収集・分析のエキスパートの佐藤優さんの本。米原万里さんが、橋本龍太郎元首相に襲われかけたという話がでてくる。
インテリジェンス人間論 佐藤 優 (単行本)
◎ ロストロポービッチ
リヒテルとの共演がすんばらしい。
ベートーヴェン:チェロソナタ第3番&第4番&第5番 ~ ロストロポービッチ (CD)
バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲 ~ ロストロポービッチ (CD)
◎ ますます罵倒したい人のために
賞賛語(ほめことば)・罵倒語(けなしことば)辞典 長野 伸江 (著) (単行本)
罵倒はしないが、けなし芸としては最高峰の斉藤美奈子さん。言葉の切れ味はとんでもね。
読者は踊る 斎藤 美奈子 (文庫)
本の本―書評集1994‐2007 斎藤 美奈子 (単行本)
喋りの速度が異常に遅い中島らも氏が「口げんかに勝ちたい」と一念発起して記した『舌先の格闘技』。
舌先の格闘技 中島 らも (文庫)
◎ おまけ
元メダリストのことを滅茶苦茶にいってる曲「ガッツ!メダリスト 」。めちゃオモロイ。
ハッスル ~ Garlic Boys (CD)
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