イザベル・コイシェ(Isabel Coixet)監督の「死ぬまでにしたい10のこと」を見た。
アラスカに3年住んでいたというリー(マーク・ラファロ Mark Alan Ruffalo)が
ポンコツのカーステレオからブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)を流すシーン、
ブロッサム・ディアリー、アラスカ、という単語の結びつきに何だかピクリと反応。
Blossom Dearie - 'I'm Hip' キュートとはこの人のことや。
(ロッサム・ディアリー本人は、アラスカとはな~んの関係もないんだけど)
僕は4年前くらいにアラスカでちょこっとだけ働いてた。
でかすぎる自然に囲まれた、はいいが、いかんせんアウトドアにも興味なし、
おまけに冷え性低血圧男である僕は、う〜んヒマや・ヒマや・ヒマやと、
CD屋にいってはブロッサム・ディアリーを試聴しまくってたなぁ……。
この映画の原題は、"My Life Without Me"とある。
「私のなしの私の人生」とも、「私の死んだ後のくらし」とも、
「私がいなくなってからの私のいのち」とも、もっといくと「私の、じゃないけど、私の人生」とか。
死、家族、つながっていくもの、という"泣き"のアイテムを使っているのにもかかわらず、
安易な感傷には溺れさせない、乾きすぎてもいない、どこまでもただただlife(くらし、生命、つづいていくもの)があって、その終着に死があるのでなく、その過程に死があるような。
Gino Paoli - Senza fine (ジーノ・パオーリの曲が使われている。曲名は「終わりなく」という意味)
夢をかなえられず過去の亡霊にとらわれる母。
愛もあるし善良だが家族の為には生きられない時もあると語る、刑務所にいる父。
どこまでも優しいがその日ぐらしの夫。
過食症で年中ダイエットの話をする同僚。
生後すぐに見捨てられた双子の赤子を30時間抱き続けた看護婦。
去っていった彼女が帰ってくるものと信じて家具を置けない男。
17歳でできちゃった結婚して、現在娘が二人、余命2ヶ月の私(=主人公)。
下手な人が撮ったらメロドラマになるかもしれんが、
Omara Portuondo - Que emoción(オマーラ・ポルトゥオンドの曲も使われてて泣けますなぁ)
う〜ん、それだけに、
やっぱり邦題の「死ぬまでにしたい10のこと」はないと思うなぁ~。
説明的な語りを避けている映画だけに、
その他の登場人物の人生観、私がいること、私がいないこと、
これからも生きつづけるであろう愛すべき人達のこと、
何よりあったかい我が家ではあるけど、現実にはwhite poor(白人低所得者)の生活がベースにもあって。
それを踏まえた上で「My Life」と「Without Me」。
邦題やとそれの意味するところが見えにくくなる気がするな。
しかし、使ってる音楽と映像の挿入がめちゃ良かったなぁ〜。
◎ ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)
Blossom Dearie (CD)
Give Him the Ooh La La (CD)
My Gentleman Friend(CD)
◎ ジーノ・パオーリ(Gino Paoli)
Se Io Se Tu(CD)
◎ オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo)
Buena Vista Social Club Presents Omara Portuondo(CD)
Gracias(CD)
◎ "My Life Without Me" サントラ
Soundtrack [Soundtrack] (CD)
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