2010年7月31日土曜日

そして人生というやつは続いちゃう

イザベル・コイシェ(Isabel Coixet)監督の「死ぬまでにしたい10のこと」を見た。


アラスカに3年住んでいたというリー(マーク・ラファロ Mark Alan Ruffalo)が
ポンコツのカーステレオからブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)を流すシーン、
ブロッサム・ディアリー、アラスカ、という単語の結びつきに何だかピクリと反応。


Blossom Dearie - 'I'm Hip' キュートとはこの人のことや。

(ロッサム・ディアリー本人は、アラスカとはな~んの関係もないんだけど)




僕は4年前くらいにアラスカでちょこっとだけ働いてた。

でかすぎる自然に囲まれた、はいいが、いかんせんアウトドアにも興味なし、
おまけに冷え性低血圧男である僕は、う〜んヒマや・ヒマや・ヒマやと、
CD屋にいってはブロッサム・ディアリーを試聴しまくってたなぁ……。



この映画の原題は、"My Life Without Me"とある。

「私のなしの私の人生」とも、「私の死んだ後のくらし」とも、
「私がいなくなってからの私のいのち」とも、もっといくと「私の、じゃないけど、私の人生」とか。


死、家族、つながっていくもの、という"泣き"のアイテムを使っているのにもかかわらず、
安易な感傷には溺れさせない、乾きすぎてもいない、どこまでもただただlife(くらし、生命、つづいていくもの)があって、その終着に死があるのでなく、その過程に死があるような。


Gino Paoli - Senza fine  (ジーノ・パオーリの曲が使われている。曲名は「終わりなく」という意味





夢をかなえられず過去の亡霊にとらわれる母。
愛もあるし善良だが家族の為には生きられない時もあると語る、刑務所にいる父。
どこまでも優しいがその日ぐらしの夫。
過食症で年中ダイエットの話をする同僚。
生後すぐに見捨てられた双子の赤子を30時間抱き続けた看護婦。
去っていった彼女が帰ってくるものと信じて家具を置けない男。
17歳でできちゃった結婚して、現在娘が二人、余命2ヶ月の私(=主人公)。


下手な人が撮ったらメロドラマになるかもしれんが、



Omara Portuondo - Que emoción(オマーラ・ポルトゥオンドの曲も使われてて泣けますなぁ)






う〜ん、それだけに、
やっぱり邦題の「死ぬまでにしたい10のこと」はないと思うなぁ~。


説明的な語りを避けている映画だけに、
その他の登場人物の人生観、私がいること、私がいないこと、
これからも生きつづけるであろう愛すべき人達のこと、
何よりあったかい我が家ではあるけど、現実にはwhite poor(白人低所得者)の生活がベースにもあって。
それを踏まえた上で「My Life」と「Without Me」。
邦題やとそれの意味するところが見えにくくなる気がするな。




LINKLINK




しかし、使ってる音楽と映像の挿入がめちゃ良かったなぁ〜。









◎ ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)
Blossom Dearie (CD)
Blossom Dearie (CD)


Give Him the Ooh La La (CD)
Give Him the Ooh La La (CD)


My Gentleman Friend(CD)
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◎ ジーノ・パオーリ(Gino Paoli)
Se Io Se Tu(CD)
Se Io Se Tu(CD)






◎ オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo)
Buena Vista Social Club Presents Omara Portuondo(CD)
Buena Vista Social Club Presents Omara Portuondo(CD)


Gracias(CD)
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◎ "My Life Without Me" サントラ
Soundtrack [Soundtrack] (CD)
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