2010年6月25日金曜日

娼婦な名前(Hooker! Hooker! Hooker!)

ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker) という名の偉大なブルースマンがおって、

Hookerというのは苗字だけど、Hooker即ちこれ「娼婦」という意味のスラングでもあって、
本人もそんな名前がついていても、名前の迫力に負けないイカツイ風貌、
じっさいかっちょよくってたまらん。


John Lee Hooker: Boom boom




ジョン・リー・フッカーを知ったのは、カナダはトロントのレコード屋でのこと(店名はわすれた)。
まだ10代でだった僕は、店長らしきヒゲづらおっさんに



「ねぇ、なんか、ブルースでイカシタものあるかい? ほら、こう、卑猥な感じのサウンドでさ…」

といいたかったんだけど、
当時の僕は「卑猥」を表す単語がわからず、いかんせん拙い英語、
あれやこれや試みたが、全く伝わらず、 思いつく限りの単語を並べてたら、
それみたことか大阪京橋生まれの卑しき素性まるだし、



「アレや、エロイ、何やおっさん、キース・リチャーズのフレーズみたいな、変態ちょめちょめ、娼婦や、娼婦! Hookerっていうんか、え!? なんつーかna 、Hooker!, Hooker!, そんなブルースを聴きたいんや!」


みたいに言ったのだ。
しかし、アホの一念、岩をも通す。


さっきまでは理解不能の黄色猿がわめいちまってるぜ、といった様子だったヒゲづらは、オーライ! と要を得た様子。どうやら、僕の熱いソウルが伝わったんだな。
手渡してくれたレコードが、ジョン・リー・フッカーだったのだ。

ジャケットに書かれたHookerという文字、顔をみればだれもがパンツを脱いでしまうその形相、
僕は自分が探していた音楽であることを直感して、これやこれ!
おっさんと僕はHooker! Hooker! Hooker!と連呼して抱き合った。



Tom Waits - Chritmas Card From a Hooker in Minneapolis



トム・ウェイツの名曲、『ミネアポリスの女からのクリスマス・カード』という邦訳がまかりとおっているが、『ミネアポリスの娼婦からの』やないんか?






◎ ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)
It Serves You Right to Suffer [Original recording remastered]   John Lee Hooker (CD)It Serves You Right to Suffer [Original recording remastered]   John Lee Hooker (CD)

Live At The Cafe Au Go-Go (And Soledad Prison)  John Lee Hooker (CD)Live At The Cafe Au Go-Go (And Soledad Prison)  John Lee Hooker (CD)

ブルースブラザーズでも歌ってたね。
ブルース・ブラザース  ジョン・ランディス監督[DVD] ブルース・ブラザース  ジョン・ランディス監督[DVD]






◎ Tom Waits (トム・ウェイツ)
『ミネアポリスの女からのクリスマス・カード』が入ってる
Blue Valentine Tom Waits (CD)Blue Valentine Tom Waits (CD)。

娼婦たちの晩餐 ~ライヴ Tom Waits (CD)娼婦たちの晩餐 ~ライヴ Tom Waits (CD)








余談 

実は、
Hookerという名前は実はぼちぼちある苗字で、地名もある。
(当時はそんなことも知らなかったけど。)
John Lee Hookerは芸名でもなんでもなくって、本名。
しかしまぁ、それはそうとして、
フッカーという語が、何ゆえ娼婦を表す語になったんやろか?
 と思って、ざっくり、テキトーに調べてみた。
といってもネットの落ちてる記事をつまんだだけなんで、信憑性のほどはわかんねけど、

  •  時は、南北戦争(1861年 - 1865年)の頃にジョセフ・フッカー(Joseph Hooker)少将というオッサンがいた。
  •   オッサンは好色漢とされており、オッサンの部隊の司令部は「酒場と売春宿があわさったようなトコ」とか、オッサンがつれてたオネエちゃん達は「フッカー将 軍部隊("General Hooker's Army" or "Hooker's Brigade.")」と言われた。
  •  そんなこんなで、Hooker = 娼婦、というスラングができた。
  •  とまことしやかに、いわれちゃったりするのだが、実は、「Hooker」という語はこのオッサンが世にしられるずっと前から、ローカルスラングとして存在していたらしい。 (※1)
  • それは、Hook =窓から、家のものをパクル=盗人、とか転じて、窓から客をとる=娼婦というスラング。  
  • Hookerというスラングは一部の地域で随分前から存在してたけど、Joseph Hookerっちゅうおっさんの好色漢の風評によって、全国的にひろまっちまったスラング。
ということなんらしい。
それが、めぐりめぐって、
極東の島の猿が北米のレコ屋のオッサン(白人)にむかって、
どこで知ったかこの言葉、
Hooker、Hooker、Hooker、
と連呼することになるのです。
まぁ、超テキトーに調べただけなんで、
どなたか興味ある方、是非しらべてみてください

(参照URL)
● 語源など
World Wide Word: hookerの項
Online Ethmology Dictionary

● ジョセフ・フッカー Joseph Hooker
Joseph Hooker :wiki(英語)
ジョセフ・フッカー :wiki(日本語)
南北戦争時の性に関する本”The story the soldiers wouldn't tell: sex in the Civil War”の第14章(ジョセフ・フッカーに関する章)がネット上で読める

● ロバート・グリーン (Robert Greene)
Robert Greene :wiki(英語)
Robert Greene著 The Art of Conny Catching second partがweb上で読めるみたい。
The Art of Conny Catching first part
The Art of Conny Catching second part


(※1)
 例えば
① 1859年の John Bartlett’s Dictionary of Americanisms という辞書にのってたり。

  ”TO HOOK. To steal. A common vulgarism”
(う平訳):「フックするとは……盗みをはたらくこと、一般に卑俗、卑猥)」
② 1845年に、ある学生からクラスメート宛に書かれた手紙の中で娼婦を意味する語としてHookerが使用されている。 

The story the soldiers wouldn't tell: sex in the Civil War   Thomas Power Lowry 
"If you comes by the way of Norfolk, you will find any number of pretty hookers in the Brick Row, nofar from French's Hotel"
(う平訳) : もし君がノーフォークを通って来たなら、フレンチズホテルからさほど遠くない、ブリック・ロウで、きっとたくさんの可愛いhookerを見つけることだろうよ。
③ ルネッサンス期の英国人劇作家 ロバート・グリーン (Robert Greene 1558–1592)によるHookerの記述
 Hookerという語の意味するところは,

"pull out of a window any loose linen cloth, apparel, or else any other household stuff The Art of Conny Catching
(う平訳) : 「垂れ下がったリネンの布、衣服、その他家庭用品を、窓からら引っ張る(パクる)」
とあって、これが、娼婦が客をひく、というのをほのめかしてる。らしい。

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